今あるものを活かしてリ・ユース

【茶の湯の心】を大切にしたリノベーション

 

 

「以前からずっと思い描いてきたリフォームをやっと実現できて、とても快適になりました」

と笑顔で話すMさま。

築50年を超える贅を凝らした数寄屋住宅の魅力を大切にしながら、光あふれる快適なLDKと、お点前を楽しめるギャラリーカフェ空間のある住まいへとリノベーションしました。



リフォームのきっかけ

 

「品川と神奈川に茶道のお教室を開いていましたが、品川の教室を閉鎖することが決まり、せめて葦戸(よしど)だけでも神奈川の自宅で使えないか、と思い立ったのがリフォームに踏み切るきっかけでした」

 

せっかくリフォームをするなら、玄関脇の以前はLDKとして使っていた空間を「ギャラリーカフェ」空間にリノベーションして、これまでに集めた陶器類のコレクションや掛け軸をご覧いただいたり、お茶や、お茶室でのお点前を楽しめるスペースにしたと、永年考えてこられたMさま。

 

「これまで、この家の工事は住まいの不具合を修理してくれる職人さんにずっとお願いしてきたのですが、現場で怪我をしてリタイアすることに。

困ったと頭を抱えていたら、お教室に通っていらっしゃる生徒さんの中に建築設計の仕事をしている方がいらして、私のイメージを図面化してもらいました。たまたまそのタイミングで知人の紹介でガイアフィールド社を紹介していただきました。頭のなかでイメージしたリフォームを実際に依頼するまでに3年以上の時間がかかりましたが、ガイアフィールド社にお願いすると決めてからは、テンポよくすすみました」




お客さまからのリフォームの要望

 

①1階入口脇のLDKを2階に移動したい

②空いたスペースを利用してギャラリーカフェにしたい。

③ギャラリーカフェに、以前品川の茶道教室で永年つかってきた葦戸を再利用(リユース)したい

③2階のLDKも、1階のギャラリーカフェも床暖房を使いたい

④キッチンカウンターは腰への負担を考えて、高めにしたい

⑤2階LDKへの階段はカーペットからフローリングに変更したい

⑥LDKへの出入り口のドアは不要なので撤去

 

===ガイアフィールド社に依頼してよかったこと===

「私の要望を真摯に受けとめ、考えてくれました」

 

ガイアフィールド社の担当者、岩橋さんは、私の要望を真摯に受けとめて、いつも前向きに対応してくれました。

わがままなお願いであっても「はい、わかりました」とまずは笑顔で受けとめてくれます。

そして、これはちょっと、という場合は一呼吸おいてから

「この部分ですが、構造上問題があるので、こうしてはいかがでしょうか?」

というように、いつも建設的な提案をしてくれました。

 

何社かリフォーム会社の方とお話しましたが、次第に私の要望とはほど遠い内容の提案をする会社もありました。

 

そんな中で、私の希望を実現するために細やかに考え、提案をしてくれた岩橋さんの対応はすばらしく、茶道の世界にたとえれば、かなり上級な人だからこそできること。担当していただいてとてもありがたかったです。



くつろげるギャラリーカフェとLDK

         思い描いたリフォームが実現して



🔳ギャラリーカフェ遊々庵

 

以前LDKだったスペースは、品川のお教室の、明るく葦戸がすっきりと納まりシンプルで居心地の良い空間に生まれ変わりました。

葦戸を開けると、品川で使ってきたお道具をディスプレイする棚、お客様にお茶を出すための調理スペースがあり、作業動線もよく考えられています。

壁まわりにはピクチャーレールを設置して、展示内容に合わせて壁にディスプレイできるように計画しています。

床はナチュラルな白木の色調で床暖房を入れて、冬も快適です。

 

ギャラリーカフェ遊々庵と名付けて、まずはギャラリーにご案内して、これまでに集めたお茶道具や掛け軸などをお楽しみいただき、気に入ったものがあれば購入できるようなスペースにしたいと思っています。さらに隣のお茶室で、まずは私のほうでお茶を点て、次はご自分でお茶を点てる「お点前体験」を楽しんでいただこうと考えていらっしゃるとか。

 

すでに、飲食店営業許可証も取得済みですが、まずはお道具などのディスプレイを整え、ゆっくりと準備をしたうえで、オープンできればと考えています。




🔳光あふれるLDK

 

3方向に窓があり、春は桜、夏は広々としたバルコニーライフを楽しめる2階のLDKは、約18㎡あり、なんとも居心地のいいLDKになりました。

家具を最小限にして、猫の蘭華(ランカ)ちゃんと一緒にほかほかの床座暮らしを楽しんでいます。

西側の窓辺には、ベンチスタイルの造作家具をレイアウト。

「このソファと背もたれも工事期間中にリペアしてもらい、さわやかなグリーン系でコーディネートしてくれました。春先には、西側の窓からお花見ができるので、今から楽しみにしています」

ペニンシュラタイプのオープンキッチンは、IHクッキングヒーターと食洗器を組み込んで安

全てにおいてクリーンにお料理が楽しめるように考えています。

「腰をかがめて作業をするのはつらいので、キッチンカウンターを90㎝にしてもらい、背筋を伸ばして使っています。引戸型式の背面収納は、収納力抜群で使いやすく気に入っています」とMさま。

 

ビフォー・アフター

 

【Before】1階ギャラリーカフェ

【After】1階ギャラリーカフェ

 

品川の茶道教室で使ってきた葦戸を、ギャラリーカフェで再利用。葦ごしにやわらかな光と風をして、ここちよい空間に。葦戸の奥にはキッチンスペース、お茶道具を並べた棚がレイアウトされている。



【Before】1階ギャラリーカフェ

 

【After】1階ギャラリーカフェ

 

以前はLDKとして使っていたが、窓に面して道路があり何となく落ち着かなかった。リフォーム後は天井を白くして、葦戸で囲み、すっきりと落ち着きのある空間に。エアコンも

カバーを取り付けてすっきりと納めています。





【Before】2階旧寝室

【After】2階LDK

 

ドアを撤去、収納家具も撤去して、明るく広々としたLDKに。テレビ台兼ベンチソファと床暖房を設置したで、フローリングはナチュラルな質感で北欧テイストにまとめています。




【Before】2階旧寝室




【After】2階LDK

 

キッチンは高さ90cmと標準より高めにして、腰への負担を軽減しています。食洗機とIHクッキングヒーターを取り入れて、シンプルで手入れのしやすいキッチンに。



ストレスなく過ごせた

        住み続けながらのリフォーム工事

 

工事が始まったら、仮住まいに写ろうと考えていましたが、一緒に暮らしている猫(ラグドール)の蘭華(ランカ)のことを考え、担当の岩橋さんとも相談のうえ、住み続けながらのリフォーム工事をお願いすることにしました。

 

工事中もふだんどおり、お茶のお稽古ができるように玄関からお茶室への通路もきれいにしてくださり、私が外出する時もきちんと戸締まりや後片付けをしていただき、猫の蘭華も私も工事によるストレスが少なかったのも、よかったことです。

 

私の方から、いちいちお願いしたわけではないのですが、岩橋さんが細やかに考えてくださったと感じています。



使えるものは何回でもリユースをして

             最後の最後まで大切に使いたい

50年以上住み続けた住まいを改修するにあたり、心をくだいたのは、なにもかも新しくピカピカにするのではなく、愛着をもってつかってきた部材を上手くリメイクやリユースしたいという点です。

 

「使えるものは何回でもリユースをして最後の最後まで大切に使おう」という茶の湯の精神はかつては多くの人になじみのある暮らし方でした。

たとえば、お濃茶をいただく時にソーサ―のような役割を果たす「出袱紗(だしふくさ)」という道具がありますが、私のところでは、私の祖母が紡いだ紬の着物リメイクした出袱紗、母の帯をほどいてリメイクした出袱紗などを現在も使っています。

そのお茶の精神を活かして、1階のギャラリーカフェでは葦戸やお茶道具を並べる棚をリユースし、2階のLDKでは手前にあるトイレのドアは趣があるのでそのまま使っています。

 

わが家のように、住まいの一部をリノベーションするときには、リフォームした空間にもリユースするものがあると落ち着き、居心地のいい部屋になるような気がします。

茶の湯で大切にしている「大切にしているモノを形をかえて再利用しよう」という考え方は

リノベーションでも取り入れたい考え方だと思います。

🔳品川のお教室で使われていた葦戸

 

M様の手元には、数多くの作家ものの焼き物、お茶道具、かけ軸などが保存されており、いずれはギャラリーカフェ悠悠庵にこれらのお道具類をディスプレイして、お茶をたのしみながら手に取っていただき、気に入っていただければ購入していただきたいと考えています。

 

「これまでにも横須賀市からの依頼で、何組か海外からのゲストをお招きしたこともあるので、インバウンドのお客様を含め、お茶道具や焼き物の魅力を手に触れて感じたい人、お抹茶を気軽に楽しんでみたい人が楽しく過ごせる空間にと思います」

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