最近の、ヨーロッパのマンション事情・続編

 

地中海の小さな町から、こんにちは。

ガイアフィールドの、一番遠隔地からのリモート社員・森口と申します。

こちらのブログで、既にメルマガで書かせてもらった題材を少し掘り下げ書かせていただいています。

日本そして関東近郊の住宅事情やリフォーム、建築・不動産関連の周辺情報はもちろん、欧州の不動産事情やトレンドなども交えた、ガイアフィールドそして【ガイア通信】ならではのオリジナルな情報をお届けします。

 

メルマガでは早めに情報発信をさせていただいているので、よろしければ是非メルマガ登録もしていただけると嬉しいです。

 

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最近の、ヨーロッパのマンション事情・続編

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メルマガでは「ごく一般的な市民」視点から、ヨーロッパのマンション事情について

・ 工事の進捗がとにかくのんびり

・ 中古が新築より(価格が)高いこともある

・ 最近は、リフォームバブルが到来中

という事に触れました。今回のブログでは、もうちょっとだけこちらで受けた印象についてお話ししてみようと思います。

 

<街中の古い邸宅も一階を店舗、上がマンションやアパートに改装されて>



■ 日本との違い その1 「進捗がのんびりな理由は・・・」

 

さて、工事の進捗がのんびり、というお話をしましたが、理由として心当たりがあるのは三つあります。

一つは、「夏のバケーションが長すぎる」。ヨーロッパのバケーションは特に長く、短くても三週間、長い一か月半ぐらいあったりします。その間は、ほとんどのお役所も施工業者もお休みに入るので、現場はほぼ動かなくなります。

二つ目は「ストライキが多いこと」。

夏のバケーションシーズン期間中などは特に経営陣に対してアピール効果の高い、航空や鉄道・船舶などの交通や物流関業界のストが多く起こったりするため、たとえ建築現場の準備ができていても物理的に作業ができない事態も発生してしまう場合もあるのです。

そして、三つめは「働き手がとにかくのんびり」であること。人柄的におおらか、というか、働き方が自由だなと思うことが多いです。そして男性でも女性でも、とにかくおしゃべり好きな人が多い印象です。スペイン人のジョークで、「五人が働く道路の工事現場では、一人が働いていて四人がそれを見て批評しているものだ」というのがあります。(笑)

 

ちなみに、メルマガでもお見せした、私が進捗を楽しみに追っている建築中のマンションですが・・・

 

<7月の状況>

 

<ちょっと角度が違いますが、ほぼ変化無しの11月の状況>

 

<ちなみに、いつかは不明ですが、完成予定図はこんな感じになるようです>



■ 日本との違い その2 「中古と新築、どっちを選びますか?」

 

日本と違ってこちらは石造りの文化のため、今も旧市街地などでは百年前の古い建物が今も現役で街並みを形作っていること、居抜き物件ならぬ「表側だけ利用」という裏技の建物もあることなどを、前回のブログ記事でもお話ししました。

さて、こちらの人には中古物件と新築、どちらが人気だと思いますか?

もちろん、居住条件や目的地や職場の近く、という部分も重要な条件となってきますが、こちらでは古くても多少不便でも人気のある物件があります。その人気の理由としては、こちらの人たちの「無類のアンティーク好き」という部分もあると思います。虫食いの戸棚なども個人のお宅で丁寧に直したり、と古いものに手をかけて復元したりするのが好きな方が多いですし、新築を選ばず古い家に敢えて住みたい人もかなりいるので、築年数が古くても物件の価格がそれなりにしているのに納得できます。

日本では、近代になってから「民芸の再発見」が行われ、今でこそ古民家や日本のアンティークの価値が見直されていますが、こちらでは古いものを根気よく修理したり、昔ながらのスタイルを守ることが好きなファンがかなり昔から一定数いるようです。こだわる人は、昔の釘や金具などを入手するところから始める人もいるほどです。そのため、各地のアンティーク市はいつも大盛況です。

 

<古いドアノッカーなども人気で、高値で取引されているものも>

 

■ 日本との違い その3 「最近の、こちらのリフォーム事情」

 

東京やニューヨークなどの例に漏れず、ヨーロッパの各大都市でも、人口集中は起こっています。そのため分譲・賃貸を問わず、常に物件不足気味な状況です。

古い建物や、昔の大邸宅を分割して分譲物件にしたり賃貸物件にしたり・・・という事がどんどん進んでいます。

100年以上前の建物に上下水道やガス・給湯設備などのライフラインを装備するのはもちろん、電気や光ケーブル、エレベーターやセントラルヒーティングの設備を付けたり、という現代の生活に合わせるリフォームは必須事項ですが、最近のリフォームやリノベーションの流行は「古い建物の、オリジナルの壁を再発掘する」というスタイルです。

例えば、漆喰やペンキで塗り重ねられた壁を削って、元のレンガがむき出しになった状態にしたり、天井を取り除いて枠組みの木の柱を出してスペースや高さを感じさせるデザインが人気になっているようです。アメリカの「倉庫を住居やスタジオに改装した」SOHOスタイルのヨーロッパ版とも言えます。

 

また、昔の大邸宅や広い倉庫や店舗だったものを細分化した物件では、一つ一つのスペースが小さくなった分、そこに生活に必要なすべてを集約しなければならないため、ミニマムで機能的なデザインを求められている例が多いです。

ちなみに、スペースを節約することを「日本的な」「日本風の」と言ったジャパニーズスタイルと呼ばれている例もあります。

ベッドのフレーム無しで布団を直置きする事や、小さなスペースにパズルのように組み込む家具など、日本人としては「それが日本式?」と思うところはありますが、日本の省スペースで機能的な部分を意識したデザインは、実はこちらで最先端な扱いだったりします。

 

という事で、今回は日本とヨーロッパのマンション・不動産事情について触れてみましたが、いかがでしたか?

また今後も、こちら独特のエピソードや不動産関連や建築にかかわる情報をこちらの「ガイア通信ブログ」と「ガイア通信(メルマガ)」で引き続きレポートさせていただく予定です。

こちらのブログでは、今後写真なども多めに載せていきますので、ご興味がありましたら引き続きお立ち寄りください。

またメルマガとブログでお会いできればうれしいです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。