地中海の小さな町から、こんにちは。ガイアフィールドの、一番遠隔地からのリモート社員・森口と申します。

今年も、日本・欧州の不動産事情やトレンドなども交えた、ガイアフィールドならではのオリジナルな情報をお届けします。

 

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スペイン別荘地、ちょっとした裏話…

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<私のお気に入りの町「ペニスコラ」>

 

さて、メルマガでも少しだけお話しした「スペインの別荘地」についてですが、今回こちらではそちらも踏まえつつ現地在住ならではの、スペイン別荘地にまつわる”ちょっとした裏話”をお話ししてみたいと思います。

 

■ スペインで人気別荘地の数々

 

日本で人気の別荘地と言えば、古くは軽井沢。しかし、パンデミア以降に地方移住を検討する動きが出てきたため、様々な地方に別荘候補地が上がっているのが最近の状況のようです。

 

スペインも然り。スペインは欧州だけでなく世界中から別荘地候補となっている、と言っても過言ではありません。

スペインにバケーションで訪れて気に入った後は、旅先としてだけではなく別荘やリタイア後の移住先としてスペインを選ぶ例も少なくないようです。その証拠に外国専門の別荘業者も多く存在し、パンデミア前のピーク時にはかなりの盛況ぶりでした。

スペインが選ばれる理由の大きな一つは、スペインの太陽と海。

よく欧州(特にスペイン以北)の人が、薄曇りでもちょっとの太陽が出ていればいそいそと日光浴に興じるのを見てきましたが、その太陽が強くさんさんと照るスペインを、夏のバカンスや別荘地に、と選ぶのは自然かもしれません。

 

スペイン国内だけではなく、外国人の嗜好も踏まえて別荘地として開発が進められた場所も多く点在しています。特に、地中海沿岸はフランス国境沿いからバルセロナ、更に南に向かってバレンシア・アリカンテ・アルメリア・マラガ…と続き、海沿いに数多くの別荘地が展開され人が集まっています。

例えば、バルセロナかちょっとだけ南に進んだ「シッチェス(Sitges)」は普段は閑静な村ですが、夏のバケーションシーズンには一大リゾート地に大変身します。特に世界中のゲイが集まるイベントが催される期間は町中がパーティー状態になります。また同じく地中海沿岸沿いで海岸が美しい「サロウ(Salou)」は、イギリス人が多く集まる夏のリゾート地となっており、レストランのメニューや表記なども英語が多くなっています。ただ、夜に爆飲みした観光客対応で救急車出動が多いことが問題となっています。既に有名な「イビザ島」は、80年代にイギリスのクラブ主催音楽イベントが開かれて以降、世界中の富裕層が集う高級別荘地になりました。最近では、アンダルシアの大都市マラガに近い「マルベージャ(Marvella)」という村が世界的なセレブを集める一大別荘地として急激に注目を集めました。そのことから世界中の高級ブランドなども集まり、物価も上昇傾向です。一方、スペイン人も大好きな地中海の老舗リゾート地として有名なのが「ベニドーム(Benidorm)」です。(日本の伊豆や熱海と言った老舗感がある感じです。)必ずここで夏を過ごす!と決めている高齢者層の支持が厚く、その層に連れられてくる若い層にも定評があります。

 

<こちらは「ベニドーム」。巨大なバケーションの街です!>

 

■スペインに別荘を持つイギリス人の話

 

欧州人にとって、スペインに別荘を持つのは「お手頃な投資」と捉えているのをたびたび感じます。

イギリスの友人は約30年ぐらいのかなり昔からスペインに別荘(ほぼセカンドハウス)を持っていました。彼にとってスペインの家はイギリスの家同様に夏のバケーション時の我が家でもあり、将来的な投資目的でもあったようです。

イギリスでは味わえない太陽や海辺を家族と共に心行くまで満喫するには「必須だった」そうです。

そして、友人の家族構成に変化が出たタイミングでスペインの別荘を売却したそうですが、当時は丁度スペインの土地バブルに差し掛かった頃だったので、これまでかかった費用を回収できただけではなくかなりのプラスを出して売ることができたそうです。

スペインとイギリスでは通貨(ユーロとポンド)が違うので、為替のバランスがあったにもかかわらず、「本当にいいタイミングで売却できた!」と言っていました。それは彼が購入時に売却も視野に入れて、好まれる立地をすごく吟味したからとのことでした。「絶対、イギリス人が欲しがる場所だと確信していたから。だって僕も”欲しい!ここに住みたい!”と思ったからね~」と。そしてその言葉通りにイギリス人に売却できたので、取引はかなりスムーズだったようです。

ちなみに彼が持っていた別荘は国内外でも人気の、地中海沿い・バレンシア近くの海辺の別荘でした。

 

■ スペインに別荘を持たないフランス人の話

 

とあるキャンプ場に勤めている友人から聞いたお話です。

地中海沿岸地域にある、こちらのキャンプ場では、色々な手段でやってくるお客さん向けにいろんなサービスを提供しています。

例えば、車でやってくるカップルや家族連れにはコテージやBBQの貸し出し、キャンピングカーでやってくるお客には駐車して水道などがスムーズに提供できるスペースを貸し出したり。バイクや自転車でくるお客には、テントを張るスペースと共用シャワー・トイレなどを提供し、時にはちょっとした交流イベントなども企画したりと、様々な対応をしているんだそうです。

その中で、やはり道路一本で来れるためか、フランス人客が常に多いんだそうです。

友人はその受付やサービスの紹介などを担当していたのですが、個人的にいつも「夏のオンシーズン時期は、実はホテルに泊まるよりも正直高いのに、皆高いお金を払っていく。なんでホテルに泊まらないんだろう?」と疑問に感じていたんだそうです。ある時友人は、いつも来る常連のフランス人夫婦に「どうしてホテルに泊まるよりも高いのに、うちを利用してくれるのですか?」と思い切って聞いてみたんだそうです。すると「自分の好きなものに囲まれて旅行ができるキャンピングカーのスタイルが好きなの。こちらに別荘を持って維持するより安いし」という答えだったそうです。友人曰く、「そのご夫婦は毎年何度も来てくれるんだけど、一度車を停めたら1カ月以上はほぼ動かないの。ホントに海を眺めてのんびりされている感じなのよね・・・私だったら、やっぱり別荘かホテルがいいな、と思うのよね。。。」とのことでした。

 

■ スペインに別荘を持つロシア人の話

 

スペインには多くのロシア人が来ていると感じていたのは、私がスペイン語学校に通っていた時でした。実は各レベルのクラスの半分ぐらいがいつもロシア人だったのです。みな一様に「スペイン語を習得して、早く働きたい」と、すごくまじめで勉強熱心にクラスに参加していました。家族みんなでスペインに来たクラスメイトの可愛い女の子は「スペイン人のボーイフレンドが欲しいから、誰かいい人がいたら私に紹介してね!」と大々的にクラスで募集をかけていました。(笑)

クラスメイトと話しているうちに、スペインでロシア人対象の観光業や不動産業、取引などにまつわる法務関係の通訳などの仕事は常に盛況だという事を聞きました。なので「スペイン語さえ習得すれば仕事はある」とのことでした。彼らの多くは、スペインへの完全移住のために来たんだという熱意が凄かったのを覚えています。

そして、ロシア人のスペイン好きを感じた一件がありました。

数年前にマラガ近くのとある村のドキュメンタリ―をテレビで見ていたのですが、なんと「複数のロシアンマフィアが別荘として使っていた」という内容でした。直接の購入者はマフィアの名前ではなかったようですが、様々な状況から警察が調べたところ、ロシアで有名なマフィアの複数の家族?が頻繁に訪れていたことを確認したそうです。それもその村の一軒だけではなく複数の豪邸物件を、別のロシアンマフィアが所有していたらしいのです!

ただ、調べられていると察してからある時慌ただしく逃走したようで、その物件は売り物件となっていました。内覧と称してテレビカメラが入っていましたが、内部は豪華な装飾品や絵画などもまだ残されてたのが写されており、大きなプールのある、大豪邸だったのが印象的でした。

ちなみにそのロシア人達はその村では見慣れない外国人だったようですが、「普通の、いつも現金払いで愛想の良いお客だった」とのことでした。(村のおばあちゃんと親しげに交流する、実は怖いマフィアをご自由にご想像ください。笑)

 

<南は白壁の建物が多いです。写真はイメージ>



実はスペインでは、不動産契約や金融機関でのローン契約などの細かい部分が、その時に政治の動向により変わったりすることがあるため、大抵Gestorと呼ばれる行政書士や弁護士などの専門家を雇ったりと複雑になりがちです。そのため、各国向け(各言語向け)の不動産業者や行政書士・弁護士はいつも繁盛しているようです。

(ちょっと触れましたが、そういった複雑さを逆手に取ってなのかロシアに限らずいろんな国のマフィア的流入が…という噂も。)

 

・・・日本とは「ちょっと違う」スペインの別荘地の、現地情報でした。こんなエピソードもたまには別世界の話として。(笑)

 

今後も、欧州ならではのエピソードや欧州にかかわらず世界や日本の不動産関連・建築にかかわる情報を、ブログとメルマガで、引き続きレポートさせていただく予定です。こちらのブログでは写真など多めに載せていきますので、ご興味がありましたら是非引き続きお立ち寄りくださいませ。

 

それではまた、メルマガとブログでお会いできれば嬉しいです!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。