地中海の小さな町から、こんにちは。ガイアフィールドの、一番遠隔地からのリモート社員・森口と申します。
今年も、日本・欧州の不動産事情やトレンドなども交えた、ガイアフィールドならではのオリジナルな情報をお届けします。

--------------------------------------------------------------------------------------
スペイン大停電から学ぶ!今日から準備したい災害対策
--------------------------------------------------------------------------------------

日本でも報道されましたが、先日スペインでは大停電が起こりました。実は思ったよりも大きな影響とショックを残した大災害となりました。当初から様々な憶測が流れましたが、現段階では「電力会社の采配(?)の偏りが原因」という”あまりはっきりとしない”スペイン政府見解が出されています。
スペインでは防災に関して、日本ほど個人レベルまであまり徹底されていない印象です。その証拠に、先日発せられた「欧州委員会からの食糧備蓄推奨」があった後も、あまり備えようとする人がいませんでした。が、今回の大停電中には電池や電灯などにとどまらずトイレットペーパーなどの消費材や食料品購入にかなりの人が殺到したということが大きなニュースになりました。
今回の電気が全く使えない状態に遭遇したことで、我が家でも改めて防災対策について考える良い機会になりました。今回のスペインでの経験を踏まえ、日本でも参考になりそうな「防災対策のポイント」についてもう少し具体的にお話してみたいと思います。

■ 電気が止まって起こったこと・困ったこと

1blog

<本当に突然で、びっくりしました。。。>

スペインではその日、ちょうど12時ごろに電気が止まってから、復旧するまで場所によって8~12時間かかりました。

この大停電は、スペイン全土とポルトガル全土、そしてフランスの南の一部分までに及びました。

信号が消えて、都会の道路では大渋滞になりました。何時間も動かない車の中に閉じ込められた人も。更に、地下鉄や電車も止まり、何時間もかけて家に向かって歩く人や、歩いても帰れない人が街中に溢れました。長距離電車では長時間電車の中に閉じ込められた挙句に「近所の村まで自力で行って、自力で泊まってください」と、原野で降ろされた場合もあったそうです。(「申し訳ありませんが…」が無いのがスペインです。涙)

スペインの昼食時間は14時なのですが、その前に電気が止まってしまったため多くのレストランは調理ができないため店を閉めました。普通のお店もレジが動かないため、閉店するところが多かったようです。スーパーマーケットなどには人が殺到して食料品の棚が空になったそうです。普段細々とやっているキヨスクなども在庫がすべてはけた例も。

旅行者はカード決済が使えないため、手持ち通貨(ユーロ)が無い人は何も買えず、昼から食事ができずに過ごしたそうです。

またスペイン全土のマンションやアパートでは、エレベーターに閉じ込められた人がかなりいたようで、電気がない中、町中の至る所で必死の救出作業が進められましたが、お昼から深夜1時まで閉じ込められていた人もいたそうです。(日本のような非常用トイレなどの緊急キットが無いので本当に大変だったようです。)

また、家庭での呼吸器具など医療用器具を利用して過ごしている患者さんは、急に電気が使えなくなったために緊急で病院に駆け込まざるを得なかったようです。中には深刻な体調不良を感じた人もいたそうで、「今後のことも心配になった」と不安を話していました。

とにかく、「いつ復旧するのかが一切分からず、更に情報が全く入ってこない中で強い不安を感じていた」と、復旧後のインタビューで語っている人が本当に多かったです。

私たちが、普段いかに電力に依存しているかを実感した一日でした。

 

■ 今日から準備したい!「防災グッズ」

2blog

<今回大活躍した我が家の防災ラジオ!日本から買ってきました!>

 

今回のように電気が全く使えない状態の際に、特に必要に感じたのは情報を得ることでした。テレビやインターネットは電気がなければ使えません。唯一、ラジオからの情報は本当に貴重でした。いつ電気が復旧するか、今自分の見えないところで何が起こっているのか、などの情報を知ることができることで、精神的な不安感も減らすことができます。

防災ラジオ」と呼ばれるものは懐中電灯なども付いていたり、手回しやソーラー充電ができるものなど、様々な利用ができるものもあるので是非参考にされてみてください。

また、今回スペインでは普段使い慣れてない「ろうそく」による火災が起こったりと不安なことも。そんな場合は、「ソーラーで蓄電できるランプや読書灯」などがあるとより安心かもしれません。

ちなみに、流行りのキャンプグッズの中にはこうした災害時にも使える物が多いので、一度趣味を兼ねてチェックしてみることをお勧めします。その可愛さで雑貨としてうっかり買ってしまった「ソーラーランタン」が、今回は意外にも大変有用でした。

 

■ 今日から準備したい!「食糧備蓄」

3blog

<我が家は普段食べてるものを余分にストック!そして食べて在庫を入れ替え。>

 

停電などの災害時には、ガスや電気も止まる可能性が高いです。その復旧が見えない場合は、食事などの不安も出てきます。防災リュックの中にある非常食はもちろん安心感があります。また普段の食品ストックの中に、火やレンジを使わなくても食べれるものなどを温存しておくことも有効です。

我が家の場合は非常食など特にないのですが、先日の備蓄推奨を受けてから普段よく食べるツナ缶や豆の瓶詰、ビスケットなどを「少しだけ」余分にストックしていました。また、とあるイベントで使ったアルコールランプで温められる鍋も非常用として確保してます。電気やガスがない時にちょっと温かいものが食べたり飲んだりできるだけで安心感があります。

硬水地域のため、飲料用の水のストックは常に一定量確保しているので、今回の停電でも特に慌てることはありませんでした。

 

■ 今日から準備したい!「防災思考」

4blog

<意外に、書き留めておくのは役立ちました。>

 

要は「心の準備」です。日常的に防災のことを考えて不安になる必要はありません。が、「いざという時にどうする」ということをあらかじめ想定して、まとめておくことは大切な備えになります。

例えば、地震や洪水などが起こった際の直近の避難先と自宅からそこまでの経路を確認しておくことや、緊急時に携帯電話などの連絡がつかなくなった場合の「災害用伝言ダイアル(171)」の使い方を確認しておくこと、そして思いつく緊急時の行動について万が一のためにメモしておいたりすることは、有事の際の大きな助けとなるでしょう。

以前実家が大きな地震にあった際に家の電話が通じなくなり、この「災害用伝言ダイアル」で離れて暮らす家族の安否を確認できて本当にほっとしました。

ちなみに私は都度日付と共にメモしてますが、今回の停電経験もメモして防災セットのアップデートに役立てる予定です。

 

■ 自分の「防災上のウィークポイント」を見つけておく!

 

一般的な対策でも十分ではありますが、それぞれに合わせた対策があるとより安心できると思います。

また、その地域やご近所とのちょっとした情報交換程度の話が出来る関係性を、普段から作っておくだけでも違うと思います。今回は、テレビが突然消え、携帯電話もつながらず、何が起こったかもわからない中で不安を感じた人が多かったようです。

普段からご近所づきあいが円滑な私の義両親は、すぐにご近所のドアを叩いたおかげで「停電それもスペイン全土らしい」ということを知り、体が不自由なご近所の方に知らせたり使えるものをご近所で共有したりと、日頃のネットワークをフル活用していたようです。

マドリッドの友人宅では復旧までに10時間以上かかったそうで、「ちょうど家に食べ物が無くて食事ができない不安感が半端なかった。今後は保存食を買っておかなくては!」と反省していました。

 

台風に始まり、数々の震災や火災なども経験してきた日本では様々な備えが既に根付いていますが、スペインの混乱例から今いちど「防災対策」を改めて見つめなおすきっかけにしていただければ幸いです。

 

今後も、欧州ならではのエピソードや欧州にかかわらず世界や日本の不動産関連・建築にかかわる情報を、ブログとメルマガで、引き続きレポートさせていただく予定です。こちらのブログでは写真など多めに載せていきますので、ご興味がありましたら是非引き続きお立ち寄りくださいませ。

 

それではまた、メルマガとブログでお会いできれば嬉しいです!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。