デコレーションもワクワク!スペイン今年のクリスマス

 

地中海の小さな町から、こんにちは。ガイアフィールドの、一番遠隔地からのリモート社員・森口と申します。

今年も、日本・欧州の不動産事情やトレンドなども交えた、ガイアフィールドならではのオリジナルな情報をお届けします。

 

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デコレーションもワクワク!スペイン今年のクリスマス

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さて、今年もクリスマスの季節になりました。

日本でもお忙しくされていると思いますが、スペインは浮足立った時期に突入中です。既にクリスマス休暇の調整は10月位から始められているので、役所での公的な手続きなどは12月月初ぐらいまでに終わらせておかないと、1月半ばまで止まってしまうものもあるので、要注意な季節でもあります。(私も以前、ドキドキした経験が。苦笑)

 

カトリックの信仰が篤いスペインでは、基本的にクリスマスは各家庭でお祝いされる宗教行事の一種なので、街中はミサのある教会以外に向かう人通りがある以外は静かになるため、実はちょっと日本のクリスマスとは違う印象です。

12月に入るとすぐにクリスマス一色に染まります。12月が近づくと町中がクリスマスのデコレーションで飾られ、お店

 

24日は「クリスマス・イブ」ですが、スペイン語では「Noche Buena(ノチェ・ブエナ、素晴らしい夜)」と呼ばれており、イエス・キリストが生まれる特別な夜としてお祝いされます。

 

去年はヨーロッパ各地でこの時期に開催される「欧州のクリスマスマーケット」についてお話させていただきましたが、今回はスペインならではの独特なクリスマスデコレーションについて、今年の写真を含めて少しお話させていただきますね!

 

■ 街の中心部のクリスマスデコレーション

 

スペインの自治体による街中のイルミネーションにはかなり力が入っています。

メインの通りはもちろん、普段は薄暗く地味な小さな路地に至るまで、この時期だけは優しい光に彩られます。小さな村でも、それぞれに様々な趣向を凝らしたクリスマス用の飾りでデコレーションされます。

以前この時期に、住民が100名ちょっとの小さな村に立ち寄ったことがあったのですが、街の中心にある小さな噴水の周りに、住民による手作りのクリスマス飾りがされていてほっこりしたのを思い出します。

ちなみにスペインで、この時期のデコレーションが有名なのは、スペイン北西部のガリシア地方にあるVigo(ビゴ)という都市の大きな光のクリスマスツリーです。毎年、この光のツリーの点灯式が市長の宣言により盛大に行われますが、スペイン各地からこの点灯を見に来る人もいるぐらいの大きなイベントとなっています。

 

<今年のVigoの、点灯されたクリスマスツリー>

 

元々キリスト教でもカトリックが中心のスペインでは、実はクリスマスデコレーションの中にサンタクロースやクリスマスツリーはありませんでした。最近は世界の流行を受けて、クリスマスツリーやサンタクロースなども出てくるようになりました。

そのため、スペインではイエス生誕の際に祝福しにやってきたReyes Magos(レイエスマゴス、東方三賢人と呼ばれる)が、唯一のプレゼントをくれる存在でした。(東方からラクダに乗ってやってきて、1月6日に到着した、と言われている。)毎年、1月6日にレイエスマゴスがやってきて盛大な山車に乗って街中を練り歩き、広場で「今晩プレゼントを良い子に配ります!」という宣誓が行われるイベントを子供たちは嬉々として待ちわびています。

ただ、最近は世界的な商業キャンペーンを受けて、スペインでもサンタクロースも出現してしまったため、お子さんのいる親御さんはいろいろ苦労されているようです。(苦笑)

 

<地中海沿岸では、レイエスマゴスは海から船でやってきます!Varenciaのある村のブログから>




■ スペイン家庭のクリスマスデコレーション

 

スペイン家庭での一般的なクリスマス飾りのメインは、「幼児のイエス像」(結構リアルな赤ちゃんイエス)や「Nacimiento(ナシミエント)」と呼ばれるイエスが生まれた時の様子を模したフィギュアが中心です。

 

ちょっとリアルな「赤ちゃんイエス」は、昔は子供が生まれた際にプレゼントされたりしたんだそうです。また今ではコレクターもいて、古いアンティークなものにはかなりなお値段が付いてオークションで取引されている例もあるんだそうです。

 

<実はこちら、夫の生まれた際の「赤ちゃんイエス」像です!>

 

この「ナシミエント」は、イエス生誕の周辺から始まってその周辺等にも及び、毎年買い足してどんどん大きくしていくのを楽しみにしているご家庭も多いです。ヨセフとマリアに納屋を貸した羊飼いのいる村の様子や、近所の山や丘、更にはその時代のエルサレムやエジプトなど周辺諸国の様子にまで及ぶものがあったりします。

そして、こうした「ナシミエント」のグッズを売る専門のお店がクリスマスマーケットに並んでいるのを見るだけでも楽しいものです。

 

<「ナシミエント」の様々な小物などを売っているお店>



■ 「Nacimiento(ナシミエント)」について

 

さて、前述した「ナシミエント」は実はスペインだけではなく、フランスやイタリアなどのカトリックを信仰する地方を中心にクリスマスのデコレーションとしてポピュラーなものです。フランスやイタリアなどでは、一年中この「ナシミエント」を販売しているお店などもあるぐらいです。

 

<「ナシミエント」>

 

イエス生誕の様子を表したものなので、基本的な構成としては。

・マリア

・ヨセフ

・生まれたばかりの、飼い葉桶に入っている赤ちゃんイエス

という構成が基本になります。そこに付け加えられていくものとしては、

・プレゼントを持って祝福に来た三人のReyes Magos(レイエスマゴス、東方三賢人と呼ばれ、スペインでは1月6日に良い子にプレゼントをくれる存在。ラクダに乗ってやってくるのでラクダ三頭と一緒にいる場合も。)

・そっと見守っている天使

・納屋を貸してくれた羊飼いと羊

・マリアが乗ってきたロバ

などが、周囲を取り囲んでいきます。そしてもっと大きくなると、納屋のある村と村人、山や川、当時のいろんな職業についている人たち…という風にどんどん広がっていくのです。

 

ちなみに、我が家でもごく小さなナシミエントを飾っています。は、「マリア・ヨセフ・生まれたばかりのイエス、

祝福に来た三人のReyes Magos(レイエスマゴス、東方三賢人)」のセットです。将来的に、天使と納屋を足していきたいと思いますがなかなか希望通りのものが見つからないため、毎年チェックにお店をパトロールしています。

 

<こちらが我が家の「ナシミエント」です>

 

この「ナシミエント」は、時には地元住人が演じる演劇になったり、とこの時期ならではのイベントにも応用されています。

ある村では村人総出で、それぞれが役になり切って村そのものを舞台にしたイベントにしていました。



■ お店などのクリスマスデコレーション

 

自治体主導の街のクリスマスデコレーションと併せて、お店などの凝ったクリスマスデコレーションを見て回るのもこの時期の楽しい行事となっていました。

古いお店なら、代々伝わる年代物の「ナシミエント」やクリスマスにちなんだ飾りが重々しく店頭に飾られていたり、

中にはもう既に何屋か分からないぐらいの「クリスマスデコレーション」が施されていた例も見たことがありました。

今回、私が興味を引いたのはとある事務所のものですが、かなり大がかかりな凝った「ナシミエント」が飾られていました。ドアが開くと広がるその「ナシミエント」には、一つ一つが細かく細工されていたものでじっくり見たくなるものばかりでした。

 

<こちらが某事務所の豪華なナシミエント!>

 

ということで、今回はスペインの今年のクリスマスの雰囲気(+我が家のデコレーション)などお話ししてみましたが、いかがでしたか?少しでも異国のクリスマスを感じていただければ幸いです。

Hope you have great Christmas!Espero que tienen buen Navidad! 



さて川崎市の梶ヶ谷を拠点とする弊社ですが、今後も、欧州ならではのエピソードや欧州にかかわらず世界や日本の不動産関連・建築にかかわる情報を、ブログとメルマガで、引き続きレポートさせていただく予定です。こちらのブログでは写真など多めに載せていきますので、ご興味がありましたら是非引き続きお立ち寄りくださいませ。

 

それではまた、メルマガとブログでお会いできれば嬉しいです!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。