不動産を賃貸運営する心得?『その道60年』5つの視点

 

地中海の小さな町から、こんにちは。ガイアフィールドの、一番遠隔地からのリモート社員・森口と申します。

今年も、日本・欧州の不動産事情やトレンドなども交えた、ガイアフィールドならではのオリジナルな情報をお届けします。

 

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不動産を賃貸運営する心得?『その道60年』5つの視点

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副業や副収入などが社会的にも少しずつ寛容になってきた昨今のこのご時世。

いつか不動産オーナーになって、賃貸収入を得ることができたら…

 

メルマガでも触れていたのですが、実は私の親が賃貸運営をしていたので、常日頃から物件を見る機会があり、「ここ絶対修繕掛かるね?」「ちょっとボロいけど、確実に回る物件だわ」と言った感じで家族とよく話していたのです。ちなみに伯母も不動産運営をしていたのですが、この伯母からのアドバイスがすごく面白かったのです。

もしぼんやりでもそういった不動産の賃貸運営などを考えている方へのご参考までに、その伯母がよく私たちに語ってくれていた「賃貸物件の不動産オーナ―としての心構えや賃貸運営のヒント」について、今回は大変手前味噌ながらちょっとだけ伯母の薫陶をご紹介してみたいと思います。

もし賃貸運営を特に考えていなくても、「急な転勤で、自宅を貸すことになった!」「施設に入った親の家を賃貸物件にするには…」など、これから起こり得るいろんな場面の際に少しでも思い出して参考にして頂けたら幸いです。

 

ちなみにその伯母についてですが、「20代で結婚、多少問題のある同居の義母と激しく戦いつつ(!?)子育てをしながら、必死で貯めたへそくりで30代で小さなアパートを購入したのがスタート」だったそうです。伯母としては「いつ夫と離婚してもいいように”掴める藁”が欲しかった」とのことで、胸に秘めてこっそり始めたそうです。

そんな伯母も現在90代半ば。あれだけ離婚を考えていた伯父とは添い遂げました。(笑)現在は未亡人になってしまいましたが、物件を整理してやっとここ数年前に本格引退しました。たまに会うたびに、いろいろな思い出話をしてくれます。(なにより昔より、格段に丸くなっているので私も気軽に聞くことができています・・・。昔は超怖い伯母さんでした。)

以下は、私がこれまで聞いて本当に参考になった伯母からのヒントです。

 

【1】住宅ローンは負債ではなく「積立」だと思え

 

<借金だと思うと心が重くなるのは普通>

 

毎月払う住宅ローンが何となく重く感じた時に「今後払い続けていけるんだろうか…?」と不安になったことがありました。そんな話を伯母にした際に言われたのは、「住宅ローンは借金ではないんだよ。払い続ければいつか完全に自分のものになる。むしろ積み立てしていると今は考えなさい」と言われました。私にはこれまでそういう発想が無かったので、なんだか目からウロコでした。

 

【2】とにかく自分で可能な限り把握すること

 

<数字はもちろん、近所の情報も重要!>

 

私がスペインに行くことになって住んでた家を賃貸に出す際に、伯母に言われたのは「しっかり把握しておきなさいよ」という事でした。伯母は持っている物件は自宅近所で、実際の様子を普段からしっかり見ていた経験から言ってくれたことのようです。

ただ、私の場合は日本に不在になるためその間は管理会社にお任せするしかなくなります。でも実家の例を見ており、時々親をサポートする形で一緒に折衝に当たっていたりしたこともありました。でも、その伯母の言葉で改めて、何となく自分でも抑えどころを書き出して、お任せする部分での「握るべき手綱」をしっかり決めてから、管理会社さんと話し合うことにしたことは本当に良かったと後から思いました。

 

【3】店子(たなこ)さんとの関係性

 

<情ではできないこともある…>

 

伯母は物件の管理を自分でしていたせいもあって、関係性が近かったようです。そのため、「自分の物件に住んでいる店子(借主)さんとは、適切な距離感で接することが大事」と話していました。親身になりすぎず冷たくもなりすぎず、とビジネスライクを心掛けていたんだそうです。伯母が悔やんでいるのは、賃貸を始めた当初に家庭事情に同情してしまったことがあったそうです。が、結果そのご家族に夜逃げされてしまいました。仕方なく部屋に入ると本当にひどい現状で、その人に対して持っていたイメージが正反対になったそうです。「逆に私が本当に追い詰められたんだよ。泣いて頼んでくる人は信用すべきではない。本当に痛い勉強代だった…」と今も悔しそうに言っていました。

・・・実は私の記憶にある伯母は、ものすごく鋭く、ものすごく怖い人。こうした経験で…と改めて想像しました。ちなみに、姪の私や家族、そして兄弟親族には、いつも厳しいこと言うくせに絶対助け船はくれませんでした。でも本当に困っている時だけは助けてくれます。

ちなみにこの伯母の言葉で、私はある気付きをもらい仕事関連がうまく行ったことがあるので、当時も本当に感謝してます。

 

【4】業者さんとの関係性

 

<伯母、強すぎる!>

 

伯母は全て自分でできることをし、それぞれの専門業者さんと直接交渉していました。伯母曰く「陰で、鬼婆と呼ばれてたのよ。上等よ!」とのことです。

その伯母を見て、私自身は家主になる場合は伯母のようにならなければいけないのかと実は悩んでいました。(私は強面には到底なれない、超童顔ですし…苦笑)

でも、私の場合は本当に良い担当さんと巡り合え信頼関係を築くことができたので、伯母のような鬼婆にならなくても全てを安心してお願いできました。ただ前述の伯母の薫陶を汲んで、しっかり詳細まで把握していたことで、よりスムーズに勧めていくことができました。そのお互いを尊重しあえた信頼関係のおかげで、実は細かい部分などで伯母より得をしていたことが実際に多かったのです。鬼婆になる必要が無くて、私は内心本当にほっとしました。

 

【5】不動産物件の情報収集の重要性

 

<写真はイメージ>

 

伯母が不動産運営を始めた当初、立地や物件などでいろいろ悩んだり失敗もあったそうです。その経験から私に言ってくれたのは、「一般的な話を鵜吞みにするのではなく、きちんと情報を集めて自分で納得すること」でした。

私も関東で物件を探して感じたのですが、実は地域や土地柄によってたとえ同じ条件でも全く違う結果が出る場合もあるのです。その地域や地元に根ざしている不動産屋さんや専門業者さんから信頼に足る情報を得ることが大事だと、伯母はいつも強く言っていました。

伯母の言葉を思い出して都内のその地域に強い地元の不動産屋さんに何軒か当たり、最終的にある不動産屋さんにお世話になることになりました。社内で何人か信頼できる担当さんも紹介いただいたおかげで、購入の際の厳しい交渉や、物件の修繕や建物管理先との折衝、更にその後の賃貸運営のお世話も丸ごとお願いした長いお付き合いに。様々な場面で、物件だけではなく周囲の情報も教えてくれたので、購入という一大決心の際にも役立ちましたし、またスペインで生活しながら遠隔で都内物件の管理運営をお願いする際にも本当に心強かったのです。

実は、後日私の友人も都内でマンションを購入する際、入ってもらった不動産屋さんとうまくいかなくて困っていると相談を受けた際にも助けていただきました。



■マジ伯母に感謝!

 

私にとってはこれまで本当に怖い伯母で、実は最近「伯母が優しくなってから」話しやすくなったのでした。

不動産関連になると饒舌になり、本当に面白い経験をしてきたんだなと感心します。こうした話を聞くことができて本当に得した気分です。今回は大変個人的な話で恐縮でしたが、不動産つながりでもし何かに少しでも参考になれば幸いです。

また、是非とも不動産関係でご相談があれば弊社までお気軽にお尋ねくださいませ。弊社の担当も、様々な経験のある面白い人材がそろっております!

 

今後も、欧州ならではのエピソードや欧州にかかわらず世界や日本の不動産関連・建築にかかわる情報を、ブログとメルマガで、引き続きレポートさせていただく予定です。こちらのブログでは写真など多めに載せていきますので、ご興味がありましたら是非引き続きお立ち寄りくださいませ。

 

それではまた、メルマガとブログでお会いできれば嬉しいです!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。