それも売り物件!?スペインなら本気でお城も買えちゃう?

 

地中海の小さな町から、こんにちは。ガイアフィールドの、一番遠隔地からのリモート社員・森口と申します。

今年も、日本・欧州の不動産事情やトレンドなども交えた、ガイアフィールドならではのオリジナルな情報をお届けします。

 

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それも売り物件!?スペインならお城も買えちゃう?

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古いお城、古い宮殿、昔の要塞に教会、古来から続いてきた村や街並み、原始の頃から絵が描かれてきた洞窟…スペインでは数限りない歴史的建造物が存在します。特に建物は以前にもお話ししたように、石造りが多いため昔からの形がそのまま残っていたり、またはその土台を利用して中だけ改造したりという形で外観が残っていたり・・・と様々です。

私も日本にいる時は明るくなかったのですが、スペインの歴史をひも解くとヨーロッパとアフリカの接点にあることから、意外によく見かけていた何気ない古びた建物が、実は歴史的に有名なエピソードを持っていたり、地元でも”いわく付き”の物件であったりすることもしばしばあったりするのに驚きました。

ということで、今回は私がスペインで見かけた「おもしろ物件」についてお話ししてみます。

 

■ お城や宮殿!?

 

<山奥の廃城は結構見かけます。写真はイメージ>

 

スペインはお城の宝庫。お城にもいろんな種類があり、サイズも様々です。

スペインにイスラム教徒がいた時代に建てられた「アルカサール」と呼ばれたお城の多くは、主に小高い丘の上に建てられていて周辺からの侵入などを監視する”物見やぐら”を兼ねた軍隊の駐留場所の役目もありました。

ちなみに、レコンキスタ以降にイスラムが去った後、これらのアルカサールはスペイン風に改造されたりもしました。

現存するアルカサールで代表的なものは、グラナダにある有名なアランブラ宮殿です。

そのほかにも、スペインの貴族や王族が暮らした城や宮殿が山奥から街の真ん中など至る所に存在しているのを見かけます。

ちなみにスペイン内にある古城や宮殿で、保存状態が良かったり有名な歴史的背景があるものなどは、現在は地域のミュージアムになっていて入場料を払って中を見ることができたり、政府の外郭団体によって「パラドール」というホテルとして運営されて宿泊することもできたりします。

ただ、お城が山ほどあるスペインでは、ちょっと山の中などに放置され廃墟となっているお城や財政難で管理ができずに放置されている宮殿なども多いのが事実です。ある所ではそういったお城や宮殿が実際に売りに出されていたりいたりします。

こちらのサイトでは、現在時点では実際に「トレドにある歴史的建造物のお城」(売主である自治体と要相談)と「バルセロナ近郊にある荘厳な宮殿」(140万ユーロ)などが売りに出されているようです。

 

■ 「村」まるごと!?

 

<スペイン人にとっての村は心のよりどころ。写真はイメージ>

 

実は、スペイン国内の観光では「村」がかなり注目されています。多くのスペイン人は「素敵な村がある」と聞くと、訪れたくなるようです。一年に一度、年末に「美しい村コンテスト(Pueblo mas bonito de España)」というプログラムが行われているぐらい、自分の村に対する誇りや郷愁を強く持っている人が多いように感じます。

ただ、日本同様に田舎の村落などでは急速に過疎化が進んでいます。中には、周囲の素晴らしい景色に恵まれたのどかで穏やかな場所にあった村が、現在は過疎化で無人になっていたり…ということで「村ごと売り物件」として販売されている例は実は数多くあります。

そして、そういったスペインの小さな村の魅力を再発見し、すっかりハマってしまう人もいます。4万5千ユーロでスペインの村を買ってしまったイギリス人の話は、実は単なる一例ではないのです。彼は、4軒の古い家が集まった村を早期退職して購入し、既にそのうちの2軒を修復したそうです。最初は批判的だった友人たちも彼の村を気に入り、休暇などで頻繁に訪ズレるようになったそうです。

こうした「村を買いたい」と商談に来る人の多くはスペイン以外の外国人に多く、フランス・ベルギー・スイス・アメリカ・メキシコ等から問い合わせが来ているとのことでした。地元の人は「周囲の環境や村の建物に興味を持ってくれて、それを楽しもう・大事にしようとしてくれている」と大変好意的に受け止める例も多いそうで、各自治体でもそういった受け入れ態勢や購入後のインフラ整備などの援助も積極的に行なわれているようです。

 

■ 修道院や教会までも・・・

 

<今はたった5人しか修道士がいない大きな修道院も。写真はイメージ>



生粋のキリスト教国として名高いスペインですが、近年は前述の村に引き続き、修道院や教会なども売りに出されている例があるそうです。昔のように多くの人が僧や尼僧となることが年々減ってきたため、修道院内の人が減ったり修道院自体の存続が危ぶまれていることも。(実は私、とある修道院に尼僧お手製のマドレーヌを買いに立ち寄った際に、一度「尼僧になりませんか?」とスカウトされた経験があります。笑)

そのため、僧や尼僧がいなくなった修道院などがひっそりと売りに出されているケースも増えてきたようです。

修道院はその周辺の土地に農地が含まれていることも多く、果物や野菜のほかに、羊や牛の畜舎、更には昔からのワイン農園などが付随している物件などがあったりします。特にワイン農園付きの物件は、新しくワイン造りをしたいと考えている世界中の富裕層(アメリカやアラブの富豪など)には大変魅力的な物件として注目を浴びているようです。

最近のスペインではワインを軸にした観光事業(ワインツーリズム)も盛んになってきたため、地元のワイナリーが拡大の際に購入して宿泊施設を作ったワイナリーにする、という近しい存在による再利用ケースが、地元では歓迎されています。

 

■ 灯台や洞窟の住宅なども

 

<灯台には、無口な引退後の漁師さんが住んでる妄想。写真はイメージ>



電気のない時代から長く海の安全を守ってきたローカルの小さな灯台のいくつかは、今ではその役目が変わって「一つの住宅」として売られている例もあるそうです。

また、夏が暑いスペイン南部では洞窟のくぼみや岩肌を壁として利用した古い住宅があります。先祖代々受け継がれてきたこうした特殊な家も、近年では後継者が住まなくなってホテルや民泊施設として利用されていたり、物件の一つとして売り出されることも。

最近ではこういった物件の市場でも、スペイン人以外での外国人裕福層による入札が相次いでいるようです。

 

さて、日本にはないようないろいろな「スペインで買える物件」を紹介してみました。いかがだったでしょうか?気になる物件などはありましたか?もしご興味が出た際には、是非ガイアフィールドまでお声がけいただければと思います。(笑)

お城や宮殿などは、やはり国宝級の歴史的建造物であるため、まずはその自治体との相談・交渉になると思います。今の時代は、そういった特殊な物件も経済的理由から個人所有になっている場合も増えてきています。

私は以前、とある村に観光に行った際に、「イザベル女王が住んでいたことのある古い宮殿」を外から見学したことがありました。その宮殿は既にかなり古く大がかりな修理が必要であろう状態でした。その場にいた村役場の方から「この建物は需要文化財。でも自治体で直したくてもその費用がない。この物件を買って直してくれる人はいないかなあ~?」と言われてビックリしたことがあります。見も知らずの外国人に声がけしたくなるぐらい、こうした物件は今切羽詰まっている?状況もあるようです。

 

今後も、欧州ならではのエピソードや欧州にかかわらず世界や日本の不動産関連・建築にかかわる情報を、ブログとメルマガで、引き続きレポートさせていただく予定です。こちらのブログでは写真など多めに載せていきますので、ご興味がありましたら是非引き続きお立ち寄りくださいませ。

 

それではまた、メルマガとブログでまたお会いできれば嬉しいです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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