住宅の耐震リフォームとは

住宅の耐震リフォームは、建物を地震の揺れに耐えるよう強化し、倒壊や損壊を防ぐための工事です。接合部の金物補強や屋根の軽量化、耐力壁の増強などが行われ、耐震性の弱い部分に強度をもたせることができます。多くの世帯が大地震に備え、耐震リフォームを実施しています。

 

耐震リフォームの種類

住宅の耐震リフォームには、次のようなものがあります。

 

耐震リフォーム

内容

接合部の金物補強

柱と梁、土台、筋交いなどの接合部が弱い場合に行います。接合部を金物で補強することで、地震の揺れによる建物の変形などを防ぎます。

屋根の軽量化

屋根が重いと、地震の揺れによる被害を受けやすくなります。屋根を軽量な素材に変更することで、地震時の被害を軽減できます。

基礎の補強

無筋コンクリートの基礎を鉄筋コンクリートの基礎に変更する、ひび割れ箇所を補強するなどして耐震化を行います。

耐力壁の増強

筋交いの配置や構造用合板の貼り付けなどで補強します。

床の補強

上下階の柱や壁の位置が異なると、耐震性が低下することがあります。床に構造用合板や火打ち梁を使用して補強します。

古い部材の交換

柱や土台などに損傷がある場合は、新しい部材に交換します。

 

上記のような耐震リフォームを行うことで、住宅の耐震性を向上させることができます。

 

耐震リフォームを考える目安

耐震リフォームを考える一つの目安となっているのが建築基準法の耐震基準です。

 

耐震基準

時期

基準

旧耐震基準

1950年〜

震度5強程度の地震で倒壊しない

新耐震基準

1981年〜

震度6強〜7程度の地震で倒壊しない

現行耐震基準(2000年基準)

2000年〜

震度6強〜7程度の地震で倒壊しない

 

現行の耐震基準(2000年基準)は、新耐震基準に加えて、接合金物の指定や耐力壁の配置バランス、地盤調査の実施などが規定されています。

 

旧耐震基準や新耐震基準の住宅は、現行の耐震基準を満たしていない場合があるため、耐震診断を受けて耐震性能を確認することが重要です。



住宅の耐震リフォームにかかる費用の目安

日本建築防災協会の調査によると、木造住宅の耐震リフォーム工事にかかる費用で最も多いのは100万〜150万円で、全体の半数以上が約187万円以下となっています。

 

ただし、耐震リフォームの費用は工事内容によって異なるため、事前に費用を確認して資金計画を立てることが重要です。



住宅の耐震リフォームを行うメリット

接合部の金物補強や屋根の軽量化、耐力壁の増強など、住宅の耐震リフォームを行うことで、住宅の耐震性が向上します。これにより、地震の揺れによる倒壊や損壊のリスクが軽減されます。

 

厚生省大臣官房統計情報部の「人口動態統計からみた 阪神・淡路大震災による死亡の状況」によると、阪神淡路大震災の死因で最も多かったのは、住宅倒壊などによる窒息・圧死でした(約76%)。

 

耐震リフォームを実施することは、地震時に家族の命を守ることにもつながります。



住宅の耐震リフォームを実施する流れ

住宅の耐震リフォームを検討する際には、まず業者に依頼して耐震診断を行い、住宅の耐震性能や劣化状況を調査します。

 

その後、診断結果を踏まえて、基礎や壁、柱などの耐震補強が必要な箇所を把握し、耐震リフォームの計画を立てます。

 

業者が耐震リフォームのプランを提示する際には、工事内容や費用について細かく確認しましょう。



住宅の耐震リフォームに関する補助金

自治体によっては、住宅の耐震リフォームや耐震診断に関する補助金制度があります。補助金が適用される場合、耐震リフォームや耐震診断の自己負担が大幅に軽減されます。

 

耐震リフォームを検討している住宅が所在する自治体が補助金を提供しているかどうか、事前に確認しておくことが重要です。住宅リフォーム推進協議会などのWebサイトで確認できます。

 

各自治体が独自に補助金制度を設けている

耐震リフォームに関して、国の補助金はなく、各自治体が独自に補助金制度を設けています。

 

補助金を利用することで、耐震診断やリフォームにかかる費用負担が軽減されます。

 

ただし、補助金額や条件などが各自治体で異なるため、リフォームを検討する際には事前に補助金の適用条件を確認することが必要です。

 

耐震リフォームの補助金事例

以下は、自治体が実施している耐震リフォームの補助金の事例です。

 

【耐震リフォーム補助金】

■福岡市「住宅の耐震改修工事費補助事業」

対象:昭和56年5月31日以前着工し、一定の条件を満たす住宅

補助金額:一戸あたり上限90万円

URL:https://www.city.fukuoka.lg.jp/jutaku-toshi/bid_safe/life/006.html

※木造戸建住宅の場合

 

■札幌市「木造住宅の耐震設計・耐震改修工事の費用補助」

対象:札幌市内にあり昭和56年5月31日以前に建築された在来軸組構法の住宅

補助金額:一戸あたり上限120万円

URL:https://www.city.sapporo.jp/toshi/k-shido/taishin/mokuzou.html

※木造戸建住宅の場合

 

■釜石市「木造住宅耐震補強工事助成事業」

対象:昭和56年5月31日以前に建築された在来軸組構法の住宅

補助金額:一戸あたり上限120万円

URL:https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2023041900045/

※木造戸建住宅の場合

 

■大和市「耐震改修工事費等補助金制度」

対象:昭和56年5月31日以前に建築された在来軸組構法の一戸建てや長屋など

補助金額:一戸あたり上限50万円

URL:https://www.city.yamato.lg.jp/gyosei/soshik/35/taisinka/4702.html

※木造戸建住宅の場合



【耐震診断補助金】

■秋田市「秋田市木造住宅耐震診断支援事業」

費用:自己負担1万円

 

■能代市「能代市木造住宅耐震診断・改修事業」

費用:自己負担1万円(市が12万円を負担)

 

■真室川町「木造住宅耐震診断助成事業」

費用:全額補助

 

■目黒区「耐震診断助成制度」

費用:耐震診断費用の60%を補助

 

■世田谷区「世田谷区木造住宅無料耐震診断事業」

費用:耐震診断士を無料で派遣

 

■多摩市「木造住宅耐震診断及び耐震改修・除却の助成」

費用:全額補助

 

■東大阪市「東大阪市耐震化促進補助金」

費用:耐震診断費用の10/11以内(上限5万円)

 

※補助金の内容は変更される場合がありますので、利用の際は必ず公式サイトをご参照ください。



耐震リフォームを実施すると税金が軽減される

国は耐震リフォームに関する補助金は提供していませんが、所得税や固定資産税の減税制度を設け、耐震リフォームを支援しています。

 

減税制度

内容

住宅耐震改修特別控除

対象となる耐震リフォーム工事を行うと、一定額が所得税から控除されます。

耐震改修住宅の減額措置

対象となる耐震リフォーム工事を行うと、一定額が固定資産税から減額されます。

※詳細については、所管の税務署や自治体の固定資産税担当部署にお問い合わせください。

 

所得税の控除や固定資産税の減額により、税負担が軽減され、家計には余裕が生まれます。

※リフォームについては→お問い合わせ・資料請求