• 地中海の小さな町から、こんにちは。ガイアフィールドの、一番遠隔地からのリモート社員・森口と申します。

  • 今年も、日本・欧州の不動産事情やトレンドなども交えた、ガイアフィールドならではのオリジナルな情報をお届けします。

  •  
  • ----------------------------------------------------------------------

  • 同じ日本なのに関東とはかなり違う!?北海道の家

  • ----------------------------------------------------------------------

  •  
  • さて、今私は久々に実家の北海道に帰省中です。

  •  
  • 関東から北海道へ移動した際に、改めて気が付いたことがいくつもありました。

  • 瓦屋根や雨戸……本州の家には普通にあるものが、実は北海道の家にはありません。

  • 同じ日本の中に建つ家でも、場所や地域によって住宅の仕様は大きく変わります。

  •  
  • 今回は、同じ日本の家といってもかなり違いのある北海道の家についてお話してみたいと思います。

  • 関東から見ると、「え? 家なんて日本ならどこも同じなんじゃないの?」と思うかもしれませんが、

  • 北海道の家と関東の家とは実はかなり違うのです。

 

  •  
  • ■ 関東と北海道の暖房に対する考え方の違い 

  •  
  •  
  • まず関東と北海道とでは、家での「暖房」に対する考え方が異なります。

  • 関東は「今いる部屋を暖かくする」というスタンスで、部屋単位の暖房がメインです。

  • 使っていない部屋や廊下など、人がいない場所では暖房を切ることもあります。

  • 一方、北海道は「家全体を暖める」というセントラルヒーティング方式が一般的です。

  • 部屋だけでなく廊下やトイレなども含め、家全体をまんべんなく暖めることで室温が下がりにくく、安定した暖かさを維持します。

  • 夏が暑く湿度も高い関東では風通しを重視する「通風文化」、極寒の冬がある北海道では建物や家全体の温かさを

  • 保つことを重視した「気密文化」と言えるかもしれません。

  • 北海道では、すきま風や冷気の侵入を可能な限り防ぐ構造や工夫が、風通しよりも重視されています。

  • また、時代や地域差はありますが、北海道では「冬でも屋内では半袖で過ごせる」程度の暖かさを好む傾向があります。

  • これは石炭や石油ストーブが主流だった時代から続く文化ともいえるでしょう。火を入れると強い熱を発し続ける

  • 石炭ストーブでは細かな温度調整が難しく、結果として室内をしっかり暖める(むしろ暑いぐらいの)生活スタイルが

  • 定着したとも考えられます。

 

  •  
  • ■ 北海道の歴史と開拓時代の家とは

  •  
  • <雪の赤レンガの旧北海道庁舎>

  •  
  •  
  • 北海道の歴史は意外に古く、室町時代から「蝦夷地」として認識されてきました。

  • 当時は昆布や魚介類などの豊富な海産物を、現住していたアイヌ民族と商業取引していました。

  • 江戸時代には松前藩が置かれ、圧迫的な統治が行われたことで幾度も反乱が起こりました。

  • その後、明治政府の太政官布告によって「北海道」と呼ばれるようになり、欧米に対抗するための

  • 富国強兵政策を支える重要な拠点と位置づけられ、元士族や屯田兵による開拓が急速に進められました。

  •  
  • 開拓時代の建物といえば、レンガ造りの北海道庁旧サッポロビール工場旧札幌農学校演武場(時計台)などを

  • 思い浮かべるかもしれません。これらは外国人技術者の指導による当時最先端の建築でした。

  • しかし、一般の入植者の住宅はまったく別でした。笹や木の皮で作られた簡易的な「笹小屋」に始まり、

  • その後は土台のある木造の開拓小屋(掘立小屋)へと発展しますが、雪や寒さへの克服は容易ではありませんでした。

 

  •  
  • ■ 北海道の家の特徴

  •  
  • <雪に合わせた、屋根の形はいろいろ>

  •  
  •  
  • こうした寒さとの戦いを経て、現在の北海道の高性能住宅が生まれました。

  • 最大の特徴は、やはり「冬の寒さに耐えること」です。

  • 一晩で1m以上積雪することもあり、内陸では氷点下30度近くまで下がることもあります。

  • そのため屋根は、積雪荷重に耐える構造であることや、雪を滑り落とす形状などが場所によって採用されています。

  • 玄関も重要なポイントです。冷気の侵入口にならないよう、断熱性の高い玄関扉を採用したり、

  • 風除室(ガラス張りの玄関フード)を設けたりする工夫が一般的です。これは本州ではあまり見られない例です。

  • 断熱材の厚みや構造的にも高い気密性能は当然ながら、冷えや結露を防ぐ分厚いガラスの二重・三重サッシの

  • 窓などは北海道では標準仕様です。寒い北海道においても、開放感のあるガラス張りのデザインを採用したい場合、

  • こうしたガラスサッシのおかげで実現可能になりました。

  • 本州では高性能住宅扱いになるだろう「床暖房」や「セントラルヒーティング」は、すでに近年の一軒家や

  • アパート・マンションでは標準となりつつあり、北海道の家全体の室温を一定に保つという目的にかなっています。

  • さらに雪の多い地域では、除雪の際の雪捨て場として「融雪溝(雪を溶かす装置)」を家周辺に設置したり、

  • 住宅の敷地内や駐車場をロードヒーティングにしたり、暖房を賄うための石油タンクが家のそばに設置されていたりと、

  • 関東では見ることのないものも、北海道ならではの冬のための装備となっています。

 

  • ■ 私が肌で感じた「違い」

  • <長年の、除雪は冬の義務として・・・>

 

  • 私が関東で初めて迎えた冬、もう除雪をしなくてもよいという開放感でわくわくしました。

  • しかし一方で、北海道よりも家の中で寒く感じたことに驚きました。

  • 外気温は北海道の方が低いはずなのに、体感的には関東の家の方がかなり肌寒く感じていました。

  • これが住宅の造りや暖房思想の違いなのだと気づき、「同じ日本でも地域によってこんなに違うのか・・・」と

  • 強く実感したのを覚えています。家は全国共通の規格品ではなく、土地の気候とともに進化していく、

  • ある意味「生き物」なのかもと。

  • 北海道の冬は外では本当に凍(しば)れますが、屋内ではアイスを食べたくなるほど暖かい・・・

  • それが北海道の家なのです。実家に帰って改めて、家の暖かさを感じています。

  •  
  • ちなみにスペインは、家の中は夏の暑さ防止のために関東と同様に風通し重視で、更に壁はブロックでひんやり冷たく、

  • 今時期は関東よりも寒く感じるぐらいだったりします。(笑)

  •  
  • 今後も、欧州ならではのエピソードや欧州にかかわらず世界や日本の不動産関連・建築にかかわる情報を、

  • ブログとメルマガで、引き続きレポートさせていただく予定です。こちらのブログでは写真など多めに載せていきますので、

  • ご興味がありましたら是非引き続きお立ち寄りくださいませ。

  •  
  • それではまた、メルマガとブログでお会いできれば嬉しいです!

  •  
  • 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

  •