生前贈与3つのポイント!

 

相続税は多くの人にとっての悩みとなるもの。現金はそれほど持っていなくても不動産の価格が高い場合は、不動産を売らざるを得ない場合もありますし相続によって親族の仲が悪化してしまうこともあります。

それだけに”賢く”相続税を支払うことで遺族の相続分を均等化し、また節税できるようになります。

そこで今回は相続税の節税に役立つ生前贈与を賢く行うコツをお伝えします。

 

生前贈与を行う際の3つのポイント

生前贈与を行う際は、様々な控除や非課税制度などを上手に活用することが重要です。

 

具体的には、「贈与税の基礎控除」「贈与税の配偶者控除」「住宅取得資金贈与の非課税制度」「教育資金一括贈与の非課税制度」「結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度」などを活用することで、税負担を大幅に軽減することが可能です。

 

税負担を抑え、生前贈与を実施することは、相続税の負担軽減にもつながる場合があります。

 

ここでは、生前贈与を行う上で押さえておきたい、3つの控除・非課税制度について見ていきましょう。

 

年間110万円の基礎控除を活用する

生前贈与を行う際は、年間110万円の贈与税の基礎控除(暦年贈与)を活用しましょう。基礎控除とは、所得控除の一種で、誰でも受けることができる控除です。贈与税の計算方法は「年間の贈与額−控除×税率」です。

 

したがって、年間の贈与額が基礎控除の範囲内であれば、贈与税は発生しません。贈与税がかからない場合は、確定申告も不要です。

 

例えば、年間の贈与額が80万円の場合、基礎控除110万円以下なので、贈与税はかかりません。また、3月に40万円、11月に60万円など、2回に分けて贈与があった場合でも、年間の贈与額は100万円であり、基礎控除の範囲内なので贈与税は0円です。

 

このように、贈与税の基礎控除を活用することで、贈与税の負担を軽減できます。



住宅取得資金贈与、教育資金一括贈与、結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度を活用する

マイホームを購入するための資金や教育資金、結婚資金、子育て資金などを贈与する場合は、「住宅取得資金贈与」「教育資金一括贈与」「結婚・子育て資金の一括贈与」などの非課税制度を活用することで、贈与税の負担を軽減できます。

 

「住宅取得資金贈与」「教育資金一括贈与」「結婚・子育て資金の一括贈与」の特徴は、以下のとおりです。

 

▼住宅取得資金贈与

住宅取得資金贈与の非課税制度(住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税)

は、令和5年12月31日までの間に、直系尊属(父母、祖父母など)から住宅購入やリフォーム資金の贈与を受けた場合に、一定金額まで非課税となる制度です。非課税限度額は、一定の要件を満たす省エネ住宅が1,000万円、それ以外の住宅が500万円となります。住宅取得資金贈与の特例を利用するには、贈与を受ける方の年齢が18歳以上、所得が2,000万円以下などの条件があります。

 

▼教育資金一括贈与

教育資金一括贈与の非課税制度(直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税)は、直系尊属(父母、祖父母など)から、学校の授業料、塾や習い事に支払われる資金の贈与を受ける場合に、一定金額まで非課税となる制度です。非課税限度額は、子どもまたは孫1人につき1,500万円となります。ただし、学校等以外(塾や習い事など)に支払われる教育資金については、限度額が500万円となります。非課税制度の対象になる教育資金の範囲は、「学校等」は、入学金や授業料、給食費用、修学旅行費用などです。「学校等以外」は、月謝、通学定期代、教材費などになります。

教育関連の資金の贈与は祖父母から孫へ行うことも可能です。

 

▼結婚・子育て資金の一括贈与

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度は、直系尊属(父母、祖父母など)から結婚や子育てに使う贈与を受けた場合に、一定金額まで非課税になる制度です。非課税限度額は、子育て資金が1,000万円、結婚資金が300万円となります。子育て資金の範囲には、不妊治療、妊婦検診、分娩費、産後ケア、保育料などが含まれます。結婚資金の対象は、挙式、衣装代、転居費用などです。贈与を受ける方は、18歳以上50歳未満である必要があります。



このように、住宅取得資金贈与や教育資金一括贈与、結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制などを活用することで、贈与税が非課税になる可能性があります。なお、いずれの非課税制度も、基礎控除(110万円)との併用が可能です。

 

贈与税の配偶者控除を活用する

贈与税の配偶者控除は、20年以上の婚姻期間がある夫婦間で、居住用の不動産や不動産の購入資金が贈与された場合に、最大2,000万円まで控除できます。さらに、配偶者控除は基礎控除と併用できるため、最大2,110万円までが非課税となります。

 

ただし、配偶者控除の適用を受けるには、贈与が行われた年の翌年3月15日までに、該当する不動産に居住していることが必要です。配偶者が亡くなった後に居住する住居をすぐに変えるような行動は避けるようにしましょう。



生前贈与を行う際の注意点

生前贈与を上手に利用するためには、控除や非課税制度だけでなく、注意点も理解しておくことが重要です。

 

生前贈与を行う際は、手渡しによる贈与や名義預金、定期贈与などに留意する必要があります。なぜなら、贈与税の控除や非課税制度が適用されず、税負担を軽減できない可能性があるためです。

 

ここでは、生前贈与を行う際の注意点について見ていきましょう。

手渡しによる贈与は避ける

教育資金や住宅購入資金、結婚資金などの贈与を行う際には、手渡しを避けるよう心掛けましょう。なぜなら、手渡しでは、贈与の証拠が残りにくいためです。証拠が残っていない場合、生前贈与と認識されず、贈与税の控除や非課税制度の適用を受けることができなくなります。

 

そのため、贈与を行う際には銀行振込みなどの公正な手段を利用し、客観的な証拠を残すことが重要です。

 

名義預金には注意する

名義預金は、口座の名義人と実質的な所有者が異なる預金口座のことを指します。例えば、親や祖父母が子どもや孫の名義の口座を作り、預金と管理を行っている場合などです。

 

名義預金とみなされた場合、その取引は生前贈与とは認められません。その結果、贈与税の控除や非課税制度が適用されず、税負担の軽減ができない可能性があります。名義預金とみなされないようにするためには、贈与契約書の作成や、通帳や印鑑の管理を名義人本人が行うなどの対策が必要です。よく注意しておきましょう。



毎年同じ金額の贈与は避ける

毎年同じ金額の贈与を繰り返していると、実際には一括で贈与するつもりだったものを故意に分割したとみなされ(定期贈与)、贈与税が課税される可能性があります。贈与のたびに契約書を作成する、贈与の金額や時期を変えることで、定期贈与とみなされるリスクを軽減できます。

 

まとめ

 

相続税を節税するためには、生前贈与は効果的です。一方で生前贈与もしっかりとルールを守って行わないと脱税を行っていると思われたり、想定の節税効果が生まれないことも有ります。

 

当社では、相続に関する生前贈与を含めた不動産投資プランのご相談なども承っております。ぜひともお気軽にお問い合わせください。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

 
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