節約でお得?災害対策?太陽光発電の家の実際のお話
地中海の小さな町から、こんにちは。ガイアフィールドの、一番遠隔地からのリモート社員・森口と申します。
今年も、日本・欧州の不動産事情やトレンドなども交えた、ガイアフィールドならではのオリジナルな情報をお届けします。
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節約でお得?災害対策?太陽光発電の家の実際のお話
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「少しでも電気量を節約したい」、「電気量の高騰に影響されたくない」、「地球環境に少しでもやさしいことをしたい」…自宅で太陽光発電を検討するのは、それぞれのご家庭で様々な理由があると思います。
そして最近では「停電時にも自家発電&蓄電できるので、災害対策の強い味方になる」という観点からも、太陽光発電の家庭での導入が進んでいるようです。
太陽光発電は、「ソーラーパネルに当たる太陽光エネルギーを電気に変換する」という行程は既に広く知られています。そして、発電に石炭や石油などの化石燃料を必要としないことから環境にやさしい「クリーンでエコロジーなエネルギー」としてずっと注目を集めてきました。そして近年の「蓄電池」の性能の目覚ましい向上によって、更に様々な可能性が広がってきたことも太陽光発電の導入を加速しそうです。
今回は、太陽光発電を実際に家庭で導入した人の印象をまとめてるのと同時に、「実際のところ、どうなの?」という部分をお話したいと思います!
太陽光発電を考えていた、太陽光発電なんて考えたことなかった、という方にも「え?そんなことあるんだ!」と思った私が興味を持った部分も含めて、参考になれば幸いです。
■ 太陽光発電を実際に導入した際のメリット
<写真はイメージ>
実際に太陽光発電を導入したご家庭が、上げているメリットは以下の5つになります。
- 電気代が安くなった
日が照っている日中は太陽光発電で家の中の電力がまかなえるので、電力会社に払う電気料金は夜間分のみとなり、更に夜間帯の電気料は単価が低いので、必然的に電気料金を減らすことが可能になります。
- 売電収入が発生した
家庭の太陽光発電装置で発生した電気(直流)を「パワコン(パワーコンディショナー:電力を変換する装置)」によって交流にして、過程で直接使えるようにするのですが、その中で余剰電力を電力会社に売電することで「新たな収入」が発生します。
- 災害時にも電気が使える
前述でも触れましたが、自然災害による停電が起こった際、自宅に太陽光発電装置があれば、停電時も家庭で電気が使えます。更に電気を貯めておける蓄電池があれば、日中ではなくても貯めた電気を使えます。不安な災害時に電気で調理ができたりお風呂に入れたりするだけでもホッとしますね。
- 冷房の効きがよくなった
通常の住宅では屋根に太陽光パネルを設置する例が多くなっています。そのため、屋根材の表面にパネルを設置したことにより熱の侵入が難しくなり、家の中の温度が上がるのを防ぐことができます。そのため遮熱された環境で冷房を使えるのでより省エネになる場合も。
- メンテナンスの手間が少ない
太陽光パネルの品質性能も上がってきており、よっぽどのこと(異物の付着や破損、雑草などの遮光物の発生)が無い限りはお手入れは特に必要ないと言われています。ただ、太陽光パネルやパワコンにも寿命はありますが、数年に一度程度のメンテナンスで寿命を延ばすことも可能なようです。
■ 太陽光発電を実際に導入した際のデメリット
<写真はイメージ>
そして一方で、太陽光発電を導入したご家庭が上げているデメリットは、以下の4つになります。
- 初期費用が高い
こちらは以前から、太陽光発電を導入するネックとなっていました。太陽光発電にはパネル設置やパワコン・蓄電池の設置など様々な設備投資が導入時に初期費用として必要になります。
- 期待していたより発電量が少ない
こちらは設置状況や住宅の状況にもよりますが、「思っていたより日が当たらない」「冬場の積雪など自然環境原因で、発電が弱い」といったこともあるようです。
- 屋根から雨漏りがする
太陽光パネルを設置する際に、屋根材に傷を付けたり深く釘打ちをした場合などで、雨漏りの原因になってしまったようです。
- 昼間不在で昼間に電気を使わない
日照がある昼間に発電しているけれど、通常日中は家にいないので消費電力がほとんどない状態で放電している状態だったことで、メリットを感じられない場合もあるようです。
■ 上記デメリットの解決策は以下の通り
<デメリットが導入を考えるヒントに!>
1.初期費用が高い→国や自治体の補助金の申請、リース契約や売電契約をすることで軽減できる
設備導入時にかかる初期費用に対して、現在国や自治体での補助金が出ているので申請することで初期費用を軽減することが可能です。(※弊社のこちらの記事でも書かせていただいております。東京・神奈川県でも実施中。)
また、ご自宅管轄の電力会社との機器のリースや売電契約を結ぶことでも、初期費用をほぼ無料に抑えることも可能です。売電契約は個々の電力会社にもよりますが、「固定価格買取(FIT)」という契約では10~20年の決まった期間に売電契約を結び、その期間での初期費用を返済できるようにすれば、実質0円でも導入が可能です。電力売買契約(PPA)や太陽光発電のサブスク契約なども最近商品として出てきたので、検討する際には個々の自宅に合わせた見積・調査も含めて信頼できる業者にしっかり相談することをお勧めします。(もちろん弊社で大丈夫です!)
2.期待していたより発電量が少ない→導入前の見積調査を徹底し、「発電シュミレーション」をする
実際に太陽光発電を我が家で導入した場合を、施工業者に見積もってもらう際に、その地域の「年間の発電シュミレーション」もお願いしましょう。ちなみに、発電シュミレーションにはこちらの計算式が使われるようです。
【年間予想発電量=年間平均日射量×損失係数×太陽光発電システム容量×365÷標準日射強度】(農林水産省データ:「太陽光パネル緊急導入事業」)
年間の発電量や環境状況などを予測しておくことで、発電計画も立てやすくなるでしょう。また残念ながら日照が期待できない場合などを導入前に予測することができます。
3.屋根から雨漏りがする→アフターフォローをしてくれる施工業者を選び、設置前に見積と確認をしっかりする
まずは信頼できる業者を選ぶこと、そして太陽光パネル設置前に状況を一緒に確認し、屋根や他の場所に影響がないかどうか、万が一の時にはアフターフォローしてくれるかどうかの確認もしておくと安心です。
4.昼間不在で昼間に電気を使わない→蓄電池で一時的に電気を貯めておく&売電契約を結ぶ
日中に発電した電力を蓄電池に貯めて夜間に使ったり、電力会社と売電契約をしておくことで、不在時で消費電力を上回る発電ができている時は電気を売ることができます。
太陽光発電は家庭に導入するには「設備投資が高すぎる」ために、多くの人が実際の導入をこれまで諦めたり見送ったりしてきたことでがあったようですが、2025年に実は東京都では太陽光発電のための設備設置を「義務化する」という予定もあることから補助やサポートがあり、実は今が一番導入がしやすい状況になってきているのかもしれません。
…という事で、太陽光発電に関してお話ししましたがいかがだったでしょうか?
実は某田舎にある私の親戚のお宅では「太陽光発電を導入して、劇的に電気料が安くなった!」と言っていたので、個人的にずっと気になっていました。ただ、一方で雪国の知人宅では「導入を検討していたけれど、積雪が多すぎるために断念した」というケースも。個別の状況によって導入できる・できないという事もあるので、まずは専門業者(弊社でも可能)にしっかり見積調査の相談をして、更に前述の「発電シュミレーション」をすることで現状も把握できると思います。
ちなみにスペインの日照はかなり強く太陽光パネルの設置も多いです。こちらでさすがだな!と思ったのは、広い耕作地で直射日光を避けたい作物の上に、車の付いた「移動式太陽光パネル」を設置していた例を見たことがありました。作物の育成にも役立って、更に発電しちゃう「一挙両得」の案だなと感心したのを覚えています。
さて今後も、欧州ならではのエピソードや欧州にかかわらず世界や日本の不動産関連・建築にかかわる情報を、ブログとメルマガで、引き続きレポートさせていただく予定です。こちらのブログでは写真など多めに載せていきますので、ご興味がありましたら是非引き続きお立ち寄りくださいませ。
それではまた、メルマガとブログでお会いできれば嬉しいです!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。